建造物について

大正年間に建設された6つの建造物が、「文化庁登録有形文化財」「八戸市景観重要建造物」に指定されており、漆喰土蔵と赤レンガ蔵が新井田川の風景と一体となった景観は、近世から物流拠点として繁栄してきた湊川口を象徴するものです。
大正時代の建築当時から地域のシンボルとして親しまれるとともに、和と洋の建築形式が混在し、建築規模からも近代産業の繁栄を表す建築物群となっています。

< ⅰ.北蔵 >

大正5年(1916年)竣工。置き屋根構造とし、小屋組は洋風トラス構造を取っている。土蔵造りの酒蔵としては県内最大のものであり、貯蔵用の蔵として使われてきました。工事に携わった職人たちの名前も記されており、かつて当地で腕を振るった職人たちによる貴重な建造物であることが明らかになっています。

< ⅱ.西蔵 >

土蔵造り、建築面積182.40㎡、桁行10間(19.10m)、梁間五間(9.55m)、
二階建て、切妻造、平入、鉄板瓦棒葺

大正8年ごろ竣工。置き屋根構造、小屋組は洋風トラス構造であり、2階床には一部吹抜部分がある。
北蔵と同様に、土蔵造りの酒蔵であり、貯蔵用の蔵として使われてきました。

< ⅲ.煉瓦蔵 >

【煉瓦蔵(主の棟)】
煉瓦造、桁行28.725m、梁間11.49m、北面突出部、梁間11.52m、桁行5.745m、2階建て、
一部小屋裏を3階として使用

【煉瓦蔵(補の棟)】
地下1階:煉瓦造・鉄骨の補強あり
1階:煉瓦造、2階:木造・コンクリートブロック積の箇所あり。桁行13.305m、梁間5.720m、大小合計して全体の建築面積474.07㎡、片流造(旧切妻造)、鉄板瓦棒葺(旧桟瓦葺)

煉瓦造りの酒蔵で、仕込み用の蔵として使われてきた。
主の棟には、スコットランド製の鉄骨梁が1間ごとに掛けられており、珍しい構造である。
この鉄骨梁には「Co LD SCOTIAND LANARKSHIRE STEEL」と刻印があり、このような刻印のある鋼材を民間で使用しているのは貴重であると言われている。大正13年竣工。

< ⅳ.主屋 >

木造、桁行14.544m、梁間14.847m、
西側突出部(台所部分)、桁行4.965m、梁間6.1205m
北面突出部(便所部分)、桁行2.727m、梁間1.212m
建築面積246.77㎡、一部2階建て、切妻造、桟瓦葺

帳場、事務所並びに住居として使われてきた。
伝統的な木造軸組工法で造られており、主要な構造材には棒材が使用されている。強固でありながらしなやかな造りであり、たびたびの大地震を経験したとは思えないほど、状態は良好である。また、1階床下には三和土が施されて防湿措置がとられている。さらに、本町側に見られる伝統的な町屋の姿を形成するところは、二段の「せがい造」となっており、豪壮で威厳がありながら、そのおさまりは繊細である。建立年代は大正末期とみられている。

< ⅴ.文庫蔵 >

土蔵造り、建築面積88.47㎡、桁行6間(11.46m)梁間4間(7.64m)、2階建、切妻造、平入、銅板菱葺
大正8年ごろ竣工。置き屋根構造として、小屋組は洋風トラス構造である。1階は家財及び什器の収蔵の為の蔵、2階は客人をもてなすための座敷として造られました。

< ⅵ.煉瓦塀 >

煉瓦造、延長14.760m、切妻造、桟瓦葺
煉瓦蔵と主屋とほぼ同時期の建立。

< 文化財としての価値 >

伝統的工法を用いた主屋があり、古い土蔵の構えながら内部は大空間に適した洋風トラス構造をもつ北蔵・文庫蔵・西蔵があり、そして、洋風建築の煉瓦蔵には、スコットランド製の鉄骨が用いられている。
大正5年から大正末期にかけて造られたこれらの建造物は、それぞれ異なる特徴を持ち、さらにそれらが同一敷地内に造られている点は他に例がないものであり、文化的な価値を見出すことができる。建築当初から、湊町の中でも象徴的な建物であったことが推測される。

文章:ふるとちかこ建築設計室

蔵見学/アクセス情報

酒造りの現場や工程を紹介する蔵見学を実施しています。八戸酒造の歴史や日本酒の文化をより身近に感じていただくことができます。

期間
通年、月〜金曜日(冬期間は土曜日も営業)
見学時間
10時〜16時(所要時間は1時間程度)
見学料金
500円(試飲付き)
アクセス


八戸ICより車で20分
JR八戸駅より車で30分
JR八戸線陸奥湊駅より徒歩5分

がんじゃ自然酒倶楽部

蟹沢水源区域の環境保全への協力、蟹沢の自然の田んぼの再生、
そして自然米での酒造りを体験しながら、会員だけのオリジナル自然酒を作る会、
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